観光コーディネーターと旅行業務取扱管理者の違いについての考察 観光コーディネーターの主な仕事は、「観光地域づくり」であり、「モノづくり、コトづくり、場おこし」がその役割といわれています。現在は 特に、地域のブランドの育成が重要な仕事となっています。 観光の歴史を見ると、わが国では観光という言葉は、幕末から明治維新にかけてのことと云われています。「観光」の語源は、古代中国の周代の易学の書「周易」に求められます。 その解釈は、「国の光を観る。用て王に賓たるに利し(高田真治訳=岩波文庫「易経」)」の一節と云われています。 現在では、観光とは、観光資源、観光施設を含むサービスなど、その観光行動と周辺の関連事業活動を含めた広く「観光現象」を意味するものです。 これとよく混同されるものに、旅行(旅)があります。その解釈には諸説もありますが、多くの資料にあるように、旅行は「人が空間的、物理的に移動すること」を意味します。移動する=多くの場合、交通手段をいいますが、インターネットの普及で、旅行代理店を通さず、顧客がダイレクトに交通機関、宿泊施設などの予約できるようになったことがあげられます。これは、数年前から観光客がどこへ行き、どのような行動をしているのか(観光マーケティング)が分りにくくもなっている要因ですが、それだけニーズの多様化が起きたともいえます。 一方、観光コーディネーターは、具体的には地域資源を活かした地域ブランドの事業開発、観光メニューの企画・開発・コーディネート・宣伝、また、商品・サービス開発などが挙げられます。 この2つの資格は、以下の観光マーケティングの説明がわかりやすいと思います。 観光コーディネーター台頭の背景のひとつに、旅行代理店が主な仕事としてきたマスツーリズムといわれる団体旅行客の衰退があります。 そのため、『着地型観光』の急伸がそのひとつの例としてあげられます。 着地型観光という言葉は、既存の形態である『発地型観光』と比較すると分かりやすいと思います。発地型観光とは、出発地に所在する旅行業者が企画するパック旅行等のことを言います。旅行代理店などでは、その販売規模を生かして、交通機関や宿泊先などを一括で安く仕入れることができます。しかし、その旅行企画はマスツーリズム型になり、一律の定型的パッケージに陥りやすいという弱点を持っています。 一方、着地型観光は、時代のニーズを反映し、地域振興との結びつきが強い独自性の高い企画が提案できることになります。 現地集合、現地解散が基本の形になり、マーケットの細分化、多様化に対応した新たな観光企画開発が行われることになります。 つまり、マスツーリズムの時代には、社員旅行をはじめ、団体型の旅行が主体でしたが、宴会が目的の観光や社員旅行は減り、発地型では作れない観光商品が主流になってきています。時代は、マスツーリズムからニューツーリズム(グリーンツーリズム)へ着地型観光の推進により、地域資源の見直し、観光資源の融合化、農商工観光連携などの施策が図られています。これにより、、地域活性化を目指すことが出来るだけでなく、さらに、観光資源を発掘すること自体が、『街づくり』への支援になっています。 また、地域のさまざまな取り組みをいかに観光客の行動につなげるかが重要です。
観光客は、多くの国内外の観光地の中から、自らのニーズに合致した観光地を選んでいます。そのため、地域を訪れる観光客を増加させるためには、多くの一般企業が財・サービスを市場に提供し、ニーズやウォンツを満たすための活動を実施する場合と同様に、地域の観光素材を「観光特産品」や「施設づくり」「サービスづくり」などに組み込み、市場に対して積極的・戦略的にマーケティング活動を行っていくことが不可欠になっています。 また、「観光」は街づくりを中心として、自然、生活文化、歴史風土
や、保全・環境活動まで含む定義がなされています。したがって、観光コーディネーターの役割は「モノづくり、コトづくり、場おこし」を考えることがますます重要になっています。 . 観光地域づくりに必要な人材の役割については、マーケティング、営業、広報、商品開発など専門的な役割を担い、観光コーディネーターがそれらの専門的な人材を取り纏めて地域を牽引する役割を担うことなどが重要になっています。 観光コーディネーターの役割と試験について
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