文化観光の保全
「文化観光」は、多くの開発途上国にとって、外貨の獲得のための観光産業といえる。
しかし、たとえば地域の観光開発により、文化観光を行うことで、民族がこれまで持ってきた民族文化などが壊れるという論議がある。
確かに、開発途上国では貧困対策として、文化観光産業を政策的に位置づけている国が多くある。これらの国や地域では、地域振興という観点から、地域の民族文化や、祝祭などの伝統文化を観光資源として位置付けている。
こうした状況においては、「観光開発が先か、文化保存が先か」という課題の議論がある。
しかしこれからは、この2つの課題を両視点で考える必要がある。つまり、その地域の相乗効果による地域振興は両輪であり、それを可能とする地域エリア戦略が必要とされるということである。
既存文化の保存と活用、さらに観光開発の両輪を評価し、それを保全しながら活用していくことが重要となるのである。
資料協力:日本観光文化協会